アート&カルチャー

マサヒロくんの会社生活

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少しのトラブルでもすぐにテンパってしまうどこにでもいそうな男の会社を数々のエピソードをもとに紹介します。

蹴りだし1 / 9 ページ

― はい、トヨビシ商事。 人事部採用室です。

― あの、、私、大阪○×大学の太田ともうします。
  御社では、大学卒を採用する計画はあるのでしょうか?

当たり前である。大卒社員を採用している会社であれば、採用数の多い少ないはあるにせよ
毎年採用計画くらいはあろう。

テンパッて変な問いかけをしているこの男は、太田マサヒロ。大阪のとある大学の4年生。うろうろと就職活動をしてはみるものの今一つ手応えが無い日々だ。

― あ、学生さんね。 まあ、採用計画はありますが、、、
  
― 御社の採用は順調でしょうか?

おおきなお世話である。トヨビシ商事にとってみれば、そんなんあんたに心配してもらう
筋合いはない。もっとも彼は、自分が今からでも採用枠があるのかどうかを知りたかっただけなのだが。

― おたくは? 大阪○×大学の学生さん?
  う~ん、、、、、(どうしたもんか決めかねているようす)。
  「☆×◎#&!?」「ごにょごにょ・・・・・」

内輪で何やらやりとりしてるらしい。状況が読めずにマサヒロが気をもんでいると、突然、
意外とも言える、こんな切り返しが降ってきた。

― わっつ ユオ せーする ポーインッツ?

え?何言ってるの?このひト? ☆◎▲&!? マサヒロはわけがわからなかった。
何も言えずに黙っていると、少し切れ気味に相手は繰り返した。

― わーーっつちゅオ! せーするゥ ポオオインッツ!!?

相手は、自分の声が聞こえなかったと思ったのか、今度はゆっくりと、はっきり発音?
してくれたようだ。どうやら”What is your sales point?"と言ってるらしい・・・
マサヒロは突然英語で話し掛けられ(しかも、あまり発音が良くなさそうな日本人から)、

― まぁイ セールスポイント いズ、、、

マサヒロは想定外の展開で頭が真っ白になった。気の利く言葉が見つからなかったが、
性格の良さをアピールしようと、こう繰り返していた。

― まぁイ セールスポイント いズ キャラクタ、キャラクタ。 ビコーズ
  マイキャラクタ いズ ベリ グッド。 アイハード フォ セベラル タイムズ。
  
― 君、何だか、はっきりしないねえ~
  ・・・じゃ、また何かあったら連絡するよ。どうも電話ありがとう。

― ありがとうございます・・・

連絡するよと言いながら、こちらの電話番号も聞かない相手にマサヒロは反射的に礼を言って、電話を切ったのだ。
  

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