旅行・レジャー

原色亜米利加図鑑

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いつの日か、見たいと思ったあの風景、聞きたいと思ったあの音楽、走りたいと思った一本道。「やっぱり、いいな。アメリカ」。こう言いたくて、男らは旅に出た。

[001] 何を見たかったんだろう1 / 1 ページ

『地球の歩き方』は30年を迎える。この年月を支えたのは「アメリカ」と「ヨーロッパ」だ。拡大に継ぐ拡大をなすことで、部数も冊数も増やしてきた。より細かなシティ版、奥深い趣味性を追求したテーマ版の発刊がそうだ。そのすべてが「アメリカ・シリーズ」で行われた。

その重責を担ったS師を2008年のこの夏に喪った。

編集担当者としての活躍以上に大きいのは、著者・筆者としての力量。いわゆる「さあ一歩を踏み出そう」という、いざない文体を確立したのも彼だ。世の何人がこの文に意を強くして、靴の紐を結んだのか、リュックを背負ったのか分からない。旅をしたがらない若者がどんどん増すこの時勢に、こういった呼びかけができる彼を喪うのは痛感の極みだ。

 『地球の歩き方』は30年を迎える。この年月を支えたのは「アメリカ」と「ヨーロッパ」だ。拡大に継ぐ拡大をなすことで、部数も冊数も増やしてきた。より細かなシティ版、奥深い趣味性を追求したテーマ版の発刊がそうだ。そのすべてが「アメリカ・シリーズ」で行われた。

その重責を担ったS師を2008年のこの夏に喪った。

編集担当者としての活躍以上に大きいのは、著者・筆者としての力量。いわゆる「さあ一歩を踏み出そう」という、いざない文体を確立したのも彼だ。世の何人がこの文に意を強くして、靴の紐を結んだのか、リュックを背負ったのか分からない。旅をしたがらない若者がどんどん増すこの時勢に、こういった呼びかけができる彼を喪うのは痛感の極みだ。


葬儀に向かう道々、同志N師と語った。
彼はいったい何カ国くらい旅をしたのだろうか。どこまで足を伸ばしたのだろうか。最後に行きたかった場所はどこだろう。瞼に浮かんだ風景はどこだろう。

かつて、道案内をしてくれたアメリカの大地を、もう一度走ってみる。青い空か、緑の巨木か、赤い大地か。果てなく続く道の向こうに、答えがあるかもしれない。

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