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人の子、鬼の子、誰の子?

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鬼と呼ばれた少年と、村に住む一人の少女の物語です。

始めの一歩1 / 3 ページ

「ね、一緒に遊ぼうよ」

 

始めて言われた言葉だった。

 

 

「ねェ、今日は何して遊ぶ?」

 

「遊ばない」

 

「そんなこと言わないで遊ぼうよ。昨日はかくれんぼだったよね」

 

「してない」

 

「してたじゃん。君が隠れて私が鬼。見つけられなかったけど」

 

ああ、イラつく。

この少女は突然現れて遊ぼうなどとぬかしやがったバカだ。

人の子のくせに、鬼である僕と一緒にいたがる。

本当、意味わかんねェ。

 

「あ、あのね、これ作ったの。川の近くでシロツメクサが咲いててね。

はい、花冠。かぶせてあげる」

 

「いいよ。君がかぶってれば?」

 

「そんなに照れないでよ」

 

「照れてない」

 

何がおかしいのか笑っていやがる。

人間って皆こうなのか?相手に拒絶されても笑ってるなんておかしいだろ。

 

「待ってよ、私を置いていかないでよ」

 

「知るか。もともと僕の気まぐれでここまで下りてきたんだ。

ならまた気まぐれで森に帰るさ」

 

「ちょっと、ねェ!」

 

僕を追いかけてこようとする少女。

おい待てよ。これ以上先に入ったらお前は村から蔑まされるよ?

あそこはまだ鬼を忌み嫌う。

鬼の森に入ったなんて知られたら、お前死んじゃうよ。

 

「はぁ、分かった。明日も来てやるから森に入るな」

 

「ほんと?絶対だよ!」

 

「ああ。約束は破らねェよ」

 

お前ら人間とは、違うんだ。

 

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